佐賀県原子力安全対策課が脱原発の意見を収集・公開 [戻る]


 佐賀県が設置した「玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会」(30人)は3回会議を開いた。意見を表明した26人の内訳は次の通りである。
  ・反対・慎重:7人
  ・避難計画の実効性や事故への懸念:9人
  ・安全性が確保されることを前提に賛成・容認:10人

 大多数の委員が再稼働に不安を抱いている。再稼働やむなしと考える委員も、「原発が止まってから電力料金が高止まりしているので再稼働も止むを得ない」、「経済力を維持し、生活水準を落とさないために原子力エネルギーが必要」、「温暖化への影響がない原発に頼らざるを得ない」など、消極的である上、理不尽な根拠に基づいて判断している。 「広く意見を聴く委員会」はその内部に設置した「原子力安全専門部会」の審議結果を聞かないままに委員会を閉じてしまった。
 また、各地域で開かれている住民説明会は一方的な説明で終わる場合が多く、時間が不足し、一人1回だけの質問・意見表明に制約されていた会場も多くあったようである。
地方自治法に照らせば、住民の安全安心を確保することが自治体の最大の役割であり、そこに立脚すれば、玄海原発再稼働はおのずと選択肢から消え去るのではないでしょうか。
 佐賀県では「原子力安全専門部会」の設置にあたり、市民団体から推薦のあった脱原発の見解を持つ専門家7人から寄せられた意見を公表した。佐賀県のこうした措置は全国的にも珍しいと思われる。佐賀県は「様々な人の意見を聞きました」で済ませるのではなく、本当に再稼働させていいのかどうか、今一度深い吟味が求められる。

(文責 棚次奎介) 2017年3月23日公開