玄海・原子力発電所3−4号炉、再稼動に関する、各地の動き等[戻る]

◆現在の概況(2017年1月20日現在)
原子力規制委員会による、玄海・原子力発電所の設置変更許可の審査が終了しました。
再稼動は、早ければ7月頃の予定です。
佐賀県に、原子力安全専門部会等が設置され、審議が開始されました。

◆原子力規制委員会
玄海原子力発電所3−4号炉、設置変更許可申請書、審査書案に対する科学的・技術的意見(パブリックコメント)の募集は、2016年12月9日に締め切られました。
規制委員会は、パブリックコメント内容を精査し、定例会合に諮り、1月18日に正式合格としました。
○原子力規制委員会
・https://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000197.html
・https://www.nsr.go.jp/data/000175362.pdf

ただし、原子炉安全専門審査会・原子炉火山部会は、1回目が始まったばかり。 大規模噴火モニタリング等の具体的対処は、未だ決まっていません。よって、設置変更許可審査の、実効性が問われます。
○原子力規制委員会 原子炉火山部会
○佐賀新聞
玄海3、4号機 規制委新基準の審査に合格
玄海原発審査合格で「地元同意」手続き本格化
玄海原発の審査書要旨
○西日本新聞
玄海3、4号機が新基準で「適合」決定 全国6例目

◆内閣府、各政府機関他
日本政府は、2016年12月9日、全閣僚等で構成する「原子力防災会議」を官邸で開き、九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故に備えた佐賀、福岡、長崎3県の、避難計画を了承しました。
議長の安倍晋三首相は「原発事故が起きた場合、国民の生命や財産を守るのは、政府の重大な責務」と表明しました。
首相官邸・原子力防災会議
玄海地域原子力防災協議会(第1回)は、2016年11月22日に開催されています。
玄海原発の避難計画を策定し、福岡など3県26万人が対象となっています(30km 圏)。
玄海地域原子力防災協議会
○佐賀新聞
原子力防災会議 玄海原発の避難計画了承
原子力防災協緊急時対応 実効性に課題山積
○西日本新聞
玄海原発の避難計画、原子力防災会議が了承
玄海原発の避難計画策定 福岡など3県26万人が対象

◆佐賀県 玄海原子力発電所3−4号炉の再稼働に関し、第三者委員会が設置されました。
副知事が会長を務め、農水産業、経済、医療、労働、消費者など各界の代表ら約30人が委員となりました。委員会の中に学識経験者6〜7人で構成する原子力安全専門部会も設置されました。
初回は、2016年12月26日、(専門部会12月27日)に開催され、再稼働に関する様々な情報も公表し、幅広く県民の意見を聞く方針です。
玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会設置要綱
(目 的) 第1条 県は、玄海原子力発電所の再稼働に関して、様々な観点からの意見や専門的なアドバイスをいただくため、玄海原子力発電所の再稼働に関して広く意見を聴く委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
(別表1) 第三者委員会の委員(30名)
分野、氏名、所属・職名
佐賀県 副島 良彦 佐賀県副知事
農業、水産、林業、経済 (中略)
医療 池田 秀夫 佐賀県医師会 会長
   寺尾 隆治 佐賀県歯科医師会 会長
   佛坂 浩  佐賀県薬剤師会 会長
   三根 哲子 佐賀県看護協会 会長
労働、福祉、教育、消費者等 (中略)
学識経験者 工藤 和彦 原子力安全専門部会 部会長
(別表2) 原子力安全専門部会の委員(7名)
氏名、所属・職名、専門分野
工藤 和彦  九州大学名誉教授 原子力工学(原子炉工学)
井嶋 克志  佐賀大学大学院工学系研究科 教授 (地震工学)
出光 一哉  九州大学大学院工学研究院 教授 (原子力工学)
片山 一成  九州大学大学院総合理工学研究院 准教授 (原子力工学)
竹中 博士  岡山大学大学院自然科学研究科 教授 (地震学)
續 輝久   九州大学大学院医学研究院 教授 (放射線医学)
守田 幸路  九州大学大学院工学研究院 教授 (原子力工学)
○佐賀新聞
玄海原発再稼働、県専門部会が初会合
初会合の玄海原発第三者委で意見噴出
○西日本新聞
原子力安全専門部会が初会合 玄海原発再稼働問題 九電側は安全性強調
玄海原発第三者委「避難計画検証を」 初会合

◆30q圏の自治体
玄海・原子力発電所の再稼動に関し、周辺30q圏、28自治体の内約6割が、地元同意の範囲の拡大を求めていることが、判明しています。
再稼働の是非に関して、避難計画策定が必要な原発30q圏内では、佐賀県・伊万里市の塚部芳和市長が「避難道路や防災無線の整備が不十分」として反対しています。また、長崎県・壱岐市長も反対しています。
再稼動容認の首長からも「避難計画が不十分」(小城市)等、事故時の対応を不安視する声があります。

○佐賀新聞
玄海再稼働地元同意 伊万里・唐津市に配慮を
「事故影響変わらぬ」不満浮き彫り 周辺自治体アンケート
再稼働「同意する気ない」 伊万里市長が答弁
○西日本新聞
地元同意の範囲拡大を 「周辺にも影響」 玄海再稼働 首長アンケート
玄海原発「地元同意拡大を」 佐賀20市町長の過半数

◆裁判・訴訟等
玄海・原子力発電所の再稼動につき、主に2つの団体が、九州電力、日本政府等と係争中(裁判中)です。
「原発なくそう!九州玄海訴訟」
原告数が1万人を超える、全国一の規模となっています。弁護士も100人を超える規模です。1月27日、新たに仮処分申請が出されました。
玄海プルサーマル裁判の会
4つの訴訟が進行中です。仮処分申請、第24回審尋が、1月16日、佐賀地裁(立川毅裁判長)であり、審理終結。市民側弁護士は「3月迄に判決を出すのでは」と推測しています。主な論題は、被害論、避難計画、地震・火山、原子炉の安全基準、等です。
○佐賀新聞
玄海原発再稼働差し止め 仮処分申請の審理終結

◆周辺住民の意識等
2016年10〜11月、各新聞社の調査では、佐賀県内の住民の内、再稼働反対は、条件付を含めると、賛成派を上回っています。玄海原発の審査が、終盤を迎えて再稼働の判断時期が迫る中、熊本地震もあり、原発に対する県民の不安が、改めて浮き彫りとなっています。
○佐賀新聞
県民世論調査 玄海再稼働、反対50.8%
○西日本新聞
「地震が不安」「雇用増える」 玄海再稼働に反対51人、賛成37人 佐賀県民100人調査

◆総括
原子力発電所再稼動につき、最も重要なのは、国民の生命財産の保護です。
玄海原子力発電所3−4号炉の再稼動に関し、大きな問題点は3つ。
@長期避難計画が無い
A放射線被曝の明確な賠償基準が無い
B地震・火山等、安全目標の数値等が不明瞭
・・・この3点が、最大の問題点です。

(文責 久保田浩司) 2017年1月30日更新