日本の原発メーカー3社は海外進出に積極的、その成否はいかに?[戻る]

日立製作所は、2012年に英国の「ホライズン・ニュークリア・パワー」社を買収し傘下に置いた。同社は、現在、英国中部に原発2基を建設するプロジェクトを推進しており、日本政府は、2016年12月15日、英国の同プロジェクトに1兆円の資金援助を行うことを発表した。原発メーカーの海外進出を、日本政府も支えている。
自動車産業を日産に売却し、飛行機(MRJ)の試験運行や客船の生産で失策続きの三菱重工業は、日本原燃とともに、経営再建中のフランス原子力大手の「アレバ」社に数百億円を出資する方向で調整中であることを、2016年12月8日に発表した。原発の廃炉事業や使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル事業での連携を強化するためであるとされる。
一方、2016年12月27日、株式市場に衝撃が走った。経営再建中の東芝が、2017年3月期に、米国の原発産業を巡って数千億円規模の新たな損失が発生する可能性があると発表したためであった。東芝株は大幅下落、主要金融機関との話し合いも目途がたっていないとされる。会社の存亡に関わる事態である。
世界の原子力メーカーの後退が目立つなかで、日本は未だ、国をあげて世界の原発メーカーを買収し、原発輸出を強化し、原発技術を開発することに邁進しようとしている。果たして、そこに日本経済の勝算はあるのだろうか。

東芝の発表
毎日新聞12月29日記事

(文責 片山純子)2017年1月9日公開