玄海・原子力発電所3-4号炉、再稼動に関する、各地の動き等  [戻る]


◆現在の概況(2016年12月20日現在)
原子力規制委員会による、玄海・原子力発電所の審査書案に対する科学的・技術的意見(パブリックコメント)の、審査が継続中です。
日本政府及び、佐賀県、福岡県等による、避難計画等も進行しています。
また各地で、訴訟・反対運動等が活発になっています。

◆原子力規制委員会
玄海原子力発電所3-4号炉の、設置変更許可申請書、審査書案に対する科学的・技術的意見の募集は、12月9日(金)に締め切られました。
原子力規制委員会 意見の募集

意見公募(パブリックコメント)は、約 4200件との報道です。
内容を精査し、規制委員会の定例会合に諮り、正式合格となる見込みです。なお、精査に時間を要するため、12月中の正式合格は、難しい予想です。

ただし、原子炉安全専門審査会・原子炉火山部会は、1回目が始まったばかり。大規模噴火モニタリング等の具体的対処は、未だ決まっていません。
原子力規制委員会 原子炉安全専門審査会 原子炉火山部会

佐賀新聞
西日本新聞

◆内閣府、各政府機関他
日本政府は、12月9日、全閣僚等で構成する「原子力防災会議」を官邸で開き、九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の重大事故に備えた佐賀、福岡、長崎3県の、避難計画を了承しました。
議長の安倍晋三首相は「原発事故が起きた場合、国民の生命や財産を守るのは、政府の重大な責務」との表明です。
首相官邸・原子力防災会議

玄海地域原子力防災協議会(第1回)は、11月22日に開催されています。玄海原発の避難計画策定 福岡など3県26万人が対象となっています(30km 圏)
玄海地域原子力防災協議会

○佐賀新聞 (1) (2)
○西日本新聞 (1) (2)

◆佐賀県
玄海原子力発電所3-4号炉の再稼働に関し設置予定の、第三者委員会。佐賀県は、3回程度開いて意見を聞く方針を明らかにしました。
副知事が会長を務め、農水産業、経済、医療、労働、消費者など各界の代表ら約30人が委員となる。委員会の中に学識経験者6~7人で構成する原子力安全専門部会を設ける見込みです。
初回は、12月26日の予定です。再稼働に関する様々な情報も公表し、幅広く県民の意見を聞く方針です。

○佐賀新聞 (1) (2) (3)
西日本新聞

◆30k圏、自治体
玄海・原子力発電所の再稼動に関し、周辺30k圏、28自治体の内、約6割が、地元同意の範囲の拡大を求めていることが、判明しています。
再稼働の是非に関して、避難計画策定が必要な、原発30キロ圏内では、佐賀県・伊万里市の塚部芳和市長が「避難道路や防災無線の整備が不十分」として反対しています。また、長崎県・壱岐市長も反対しています。

再稼動容認の首長からも「避難計画が不十分」(小城市)等、事故時の対応を不安視する声があります。

○佐賀新聞 (1) (2) (3)
西日本新聞

◆裁判・訴訟等
玄海・原子力発電所の再稼動につき、主に2つの団体が、九州電力、日本政府等と係争中(裁判中)です。
「原発なくそう!九州玄海訴訟」
  原告数が1万人を超える、全国一の規模となっています。また弁護士も100人を超える規模です。
「玄海プルサーマル裁判の会」
  4つの訴訟が進行中です。
主な論題は、被害論、避難計画、地震・火山、原子炉の安全基準、等です。

◆直接交渉、記者会見等
住民団体「原発なくそう!九州玄海訴訟」のうち、福岡県・筑後地区中心の「原告団ちっごの会」は11月21日、久留米市役所に、公開質問状に伴う記者会見を開きました。論点は、住民の避難計画、安全基準等。

玄海プルサーマル裁判の会は、12月14日に、九州電力と直接交渉を行いました。

福岡核問題研究会も、会見を予定しているとのことです。

西日本新聞

◆周辺住民の意識等
10~11月、各新聞社の調査では、佐賀県内の住民の内、再稼働反対は、条件付を含めると、賛成派を上回っています。玄海原発の審査が、終盤を迎えて再稼働の判断時期が迫る中、熊本地震もあり、原発に対する県民の不安が、改めて浮き彫りとなっています。

佐賀新聞
西日本新聞

◆総括
原子力発電所再稼動につき、最も重要なのは、国民の生命財産の保護です。
玄海原子力発電所3-4号炉の再稼動に関し、大きな問題点は3つ。
①長期避難計画が無い。
②放射線被曝の、明確な賠償基準が無い。
③地震・火山等の、安全目標数値等が不明瞭。
・・この3点が、最大の問題点です。

(文責 久保田浩司)