原子炉火山部会第1回会合の議事録公開と報告  [戻る]

原子炉安全専門審査会・原子炉火山部会は、2016年10月17日に第1回会合を開催しました。問題になっていた議事録が、ようやく公開されました。一部発言を紹介します。
原子炉火山部会の開催一覧(原子力規制委員会のHP内)
第1回会合・議事録 (2016.1017)

◆29p (print 30p)
宮町教授
(中略)要するに、その現在の火山学の知見では、恐らく火山噴火がVEIの6以上になるかどうかというのがなかなかわからない、残念なことに。経験、科学、地震学も火山学も経験科学という側面が非常に強いものですから、今まで経験していないということになると、VEIの6以上に、例えば、昨年の姶良カルデラの変化が、VEIの6のきっかけになるのかどうかということすらわからない状態なんですけども、申し訳ないけども。

◆34-35p (print 35-36p)
小林(哲)部会長
(中略)ただし、その噴火が本当に大規模噴火になるかどうかというのは、なかなかわからないようです。例えばピナトゥボでも、あそこで前線で活躍していたクリス・ニューホールという人が言っているんですけれども、彼も大規模噴火が起こるということは確信を持っていたと、しかし、大規模噴火の本当にカルデラ噴火になる数日前ぐらいですか、あの辺から非常に噴火の勢いが激しくなって、そのころから本当にこれは大規模な噴火になると確信したというふうに書かれたものがあります。そういうことで、あそこで前線でいろいろデータを集めて、そして観測していた人たちでも、本当にそれがカルデラ噴火のようなのものになるかどうかというのは、本当に直前になってみ なければわからないという、そういう問題もあることは事実です。

◆40p (print 41p)
村上部会長代理
(中略)噴火直後に、恐らく火山灰の送電線への影響だったと思うのですけれども、大規模な停電が起きております。これは、たまたま民家のほうに対する電力供給に支障があったということなんですけれども、火山灰でこういった障害が起きるという貴重なデータだと思います(2016年10月、阿蘇山噴火について)。

(まとめ)
● 大規模カルデラ噴火の前兆は、基本判らない。
● 大規模カルデラ噴火でも、数日前でないと判らないこともある。
● 2016年10月、阿蘇山噴火で、大規模停電が発生
● 火山モニタリングの基準は、現在全く決まっていない。

以上、報告です。

(文責 久保田浩司 2016.12.20)